2023/08/25 14:58

遺書みたいなブログタイトル。こないだ読んだ随筆の題名です。
著作・田中英光。遺作ですね。(たしか)


田中氏、太宰治を師匠と崇めているだけあります。なんせ太宰治の遺作が「グッド・バイ」ですから。そして田中さんご自身が太宰治氏のお墓の前でこの世から"さようなら"しちゃうんだから、凄まじい崇拝ぶり。情緒不安定ぶりも師匠譲りか。


その昔、ある漢詩の一部を"さよならだけが人生だ"と訳したのは井伏鱒二。
よく聞く名文句です。
ちなみにこの"さよならだけが人生だ"の漢詩はよく知りませんし、全文読んだことありません。この文句しか知りません。なのでこの漢詩が一体どういう詩なのかわかりません。きっとお別れの詩なのでしょう。


人間、喜びよりも悲しみの方が忘れ難い。就いては出会いの喜びは時の流れと共に薄れ易く、別れの悲しみの方は時の流れに関係なく残り続けます。ふと振り返ると別れの悲しみばかりが心に残る、その結果としての"さよならだけが人生だ"、という考え。ふむふむ、どこか納得してしまう私が居ます。

そうして最後は結局1人に戻るのですナ。様々な文学者がおっしゃる通り、人間は常に1人です。いくら親密な友人が出来ようが、どんなに相思相愛の相手が居ようが、血の繋がった親類が居ようが、人間は常に1人です。人間は1人で産まれて、1人で死んでいきます。残酷なように聞こえますが、こちらについても私は首肯せざるを得ません。
けれども人間1人では生きていけないという事実もあるわけで。

まあただひとつ言えることは、仕事中に考えることではないということですなア。


昨日仕事帰りに寄ったレコード屋さんでNick LoweのNick the Knifeが安かったので購入しました。

この曲が良い曲なんですよね。
今年の梅雨の時期にたまに聴いてはカッコつけておりました。


きづく